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映画「廻り神楽」盛岡で劇場初公開 宮古に伝わる「黒森神楽」の姿追う

映画「廻り神楽」劇中より

映画「廻り神楽」劇中より

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 国の重要無形民俗文化財で、岩手県宮古市に伝わる伝統芸能「黒森神楽」のドキュメンタリー映画「廻(まわ)り神楽」が12月16日、盛岡ルミエール(盛岡市菜園2)で公開される。

劇中より演舞の様子

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 同作品は、東日本大震災後の「黒森神楽」の姿を追うもの。「黒森神楽」は、宮古市の黒森神社を本拠点に、毎春、神社の神霊を写した「権現様」(獅子頭)を携えて沿岸各地を巡り、久慈市まで北上する「北廻り」と釜石市まで南下する「南廻り」を隔年で巡ることから「廻り神楽」と呼ばれる。作品では今年春に行われた南廻り巡行に密着。その様子を軸に、震災から6年が経過してもなお、変化や困難が続く宮古・山田・大槌・釜石地区の現在と人々の様子を捉える。

 共同監督の遠藤協さんと大澤未来さんは2012年に開始した宮古市の「震災の記憶伝承事業」に参加。その年の秋に黒森神楽に出会ったという。遠藤さんは「黒森神楽は340年以上、沿岸を巡り続けている。震災から連綿と行われている黒森神楽の姿に、災害を乗り越えて伝えられる文化のたくましさを感じ、その理由を知りたいと思い映画制作を決めた」と話す。

 映画は今年の8月に「旧みやこシネマリーン」で一般公開を開始。沿岸各地を巡回し、今回が劇場初公開となる。当日の上映終了後は大澤さんが舞台あいさつに登壇するほか、映画「タイマグラばあちゃん」の監督・澄川嘉彦さんとのアフタートークを行う。17時からは「Bar Cafe the S」(菜園2)を会場に「日本最速上映記念イベント」として、前岩手県立博物館学芸員の佐々木勝宏さんを迎え、大澤さんと映画鑑賞者のティーチイン&ディスカッションも開催する。

 来年1月20日からは東京、3月には鹿児島での上映も予定している。遠藤さんは「岩手から遠く離れた関東や九州の皆さんが映画をどのように見るか楽しみ」と話し、「黒森神楽はこれまで何度も津波を乗り越え、春の先触れとして各地を巡ってきた。沿岸が困難な状況にある時も神楽が春を告げる姿を劇場でぜひ見てほしい」と呼び掛ける。

 上映は1回目が10時から、2回目が12時から。1回目の上映終了後に舞台あいさつ、2回目の終了後にアフタートークを実施。「日本最速上映記念イベント」は入場料2,000円(映画半券提示で1,500円)。

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