盛岡のタクシー会社で「陣痛タクシー」開始 出産控える妊婦支える

全車両が「サンキュータクシー」に対応する。写真の車両は「バネット」タイプ

全車両が「サンキュータクシー」に対応する。写真の車両は「バネット」タイプ

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 タクシー会社「ふるさと交通」(盛岡市手代森)は、妊婦を支援するタクシーサービス「サンキュータクシー」を開始した。

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 同サービスは出産を予定している妊婦を対象に、緊急時に最優先で配車を行うもの。タクシーを利用する人の多くは自家用車を持っていないことが多く、いざという時に何か手助けできないかという考えから実施に至った。サービス名の「サンキュータクシー」は「岩手の妊婦の出産を救いたい」という思いで、漢字で「産救」と書いたことが由来となった。昨年12月からサービスを開始し、現在60人ほどの申し込みがあり、出産以外にも通院の手段としても利用されている。

 同社所長の高屋敷直人さんは「妊婦さんはどうしても公共交通機関を使う機会が多い。利用する時に他の乗客のことを気にしたり、もしものことが起きたらと不安を抱えたりすることがあると思う。地域に寄り添うタクシー会社として、それを少しでも解消する方法はないかと考えた」と話す。

 利用には事前登録が必要。登録はホームページまたは電話で受け付け、氏名・住所・電話番号・出産予定日・緊急連絡先・産院の情報などを登録する。利用時は登録した電話番号から同社に連絡するとオペレーターが緊急かどうかを確認。陣痛を始めとする緊急時の場合は、病院への連絡状況や破水の有無、付き添いの有無などを確認した後、タクシーが利用可能な状況であれば最優先での配車となる。登録しても必ず利用する必要はなく、緊急時に備えた「お守り」として登録しておくことも可能。

 同サービスは全車両で対応し、乗務員は妊婦への心掛けや対応方法などについて助産師による指導を受け、車内での破水に備えた防水シートやバスタオルなどの備品も搭載。利用者が安心できる環境づくりに力を入れた。

 高屋敷さんは「利用する皆さんの出産や育児の支えになれればうれしい。これからも何かあれば力になっていきたい。利用について不安や疑問がある妊婦さんもいると思うので、まずは気軽に問い合わせてほしい」と呼び掛ける。

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