
東北などでスーパーマーケットチェーンを展開する「ベルジョイス」(盛岡市東安庭2)と盛岡市が2月26日、災害時における物資供給等に関する協定を締結した。
協定締結はベルジョイスからの提案により実現。同社は昨年、市が取り組む熱中対策の一環で市内にある7店舗を指定暑熱避難施設「涼みどころ」として開放したつながりもあり、「自治体の役に立ちたい」という思いで、災害に関する協定について申し出たという。
協定では、市内での災害発生または発生する恐れがある場合、同社が食料品や日用品といった物資の供給と、一時避難場所を提供するとしている。市の要請により、市内13店舗と物流倉庫から物資を供給し、13店舗を一時避難場所として開放する。
締結式には内館茂市長と、ベルジョイスの小苅米秀樹会長ら関係者が出席。内館市長と小苅米会長が協定書に署名した。小苅米会長は「昨年1月の能登半島地震、8月には盛岡での大雨災害と、昨今は災害が多発している。何が起きるか分からない。私たちは食べ物で地域に貢献したいという思いを持っている。災害時にも最低限の食料品や日用品を供給できる体制を整えたい」と話した。
内館市長は「近年、自然災害は激甚化、頻発化していて対策は急務。この協定によって、市の災害対応力が向上し、市民の安心安全にもつながる。これからも優しく強い盛岡をつくる努力を続けていく」と話し、「災害対策は待ったなし。何か起きた時に一から関係を気付き、協力するのは難しい。協定締結はありがたい」と感謝を伝えた。
「防災の日などに合わせて、店舗でも災害への備えを呼びかけたい」と小苅米会長。「利用客の皆さんにも水や食料品を備えておく大切さを伝えたい。行政と私たち民間企業、市民が三位一体となって危機管理をしていければ」と話した。