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盛岡で考古資料をSDGsの切り口で読み解くテーマ展 身近な遺跡に親しみを

展示室手前に展示されているのは繋遺跡から出土した「伏甕(ふせがめ)」。再利用された痕跡があるという

展示室手前に展示されているのは繋遺跡から出土した「伏甕(ふせがめ)」。再利用された痕跡があるという

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 盛岡市内の遺跡の考古学的発掘調査成果を「持続可能な開発目標・SDGs」の切り口で紹介するテーマ展「大むかしのくらしとSDGs」が現在、盛岡市遺跡の学び館(盛岡市本宮)で開かれている。

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 同展を企画した背景には、身近な遺跡や歴史遺産に親しむきっかけをつくろうという思いがある。担当職員の今野公顕さんは「より良く生きるために暮らしを変化させているのは大昔も今も同じ。大昔の人の工夫や苦労が分かる考古資料を現代のSDGsの視点で見ることで、人間は昔から発展しながら暮らし続けていること、長い歴史の上に今の私たちが立っていることを感じてもらえれば」と話す。

 同展では「ゆたかに生きる」「よりよく生きる」「協力しあう」の3つのテーマに沿って、17の開発目標をキーワードに、市内で出土した考古資料などを読み解く。「ゆたかに生きる」のテーマでは、壊れた部分を補修した跡がある土器や、信仰と祈り、遺跡の立地による食べ物や暮らしの違いなどについて取り上げる。遺跡の立地から当時の暮らしを知ることもでき、縄文時代は狩猟や採集など自然から食べ物を手に入れていたので平地より高い場所で、米作りをする奈良時代以降は平地で集落の遺跡が見つかっているという。

 「よりよく生きる」のテーマは、知恵や知識を共有するための文字や、火を使うことによる暮らしの発展、技術の革新になどについて紹介。大昔の道具と現代の道具を並べて展示し、形が大きく変わっていない点についても解説する。「縄文時代の釣り針も、今の釣り針と同じように、魚が逃げないようにかえしが付いている。大昔の人が考えた形はずっと変わらないが、素材はより良いものへと発展してきた歴史がある」と今野さん。

 最後のテーマ「協力しあう」では、集団での暮らしの変化や他の地域との交流のほか、気候変動と人の歴史、争いについて取り上げる。市内の遺跡では、久慈市のコハクや日本海側で採れる天然アスファルトなど、他地域の特産品が出土していることから、必要なものを交換し、協力し合っていた様子が読み取れる。

 今野さんは「大昔の暮らしの様子が分かり、現代の視点で見ることができるのは、遺跡や歴史文化遺産が今も身の回りに残っているから。そして私たちの足元にも多くの遺跡と遺産がまだ眠っている。これを壊してしまえば未来に伝わることはない。歴史を未来に残すことも持続可能な発展につながると思う。楽ではなかった大昔の人の暮らしを知るとともに、未来へ考えを巡らせてもらいたい」と呼びかける。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は一般=200円、小中学生=100円、小学生未満・市内在住の65歳以上は無料。月曜、毎月最終火曜休館。9月18日まで。6月18日には関連行事として、同館職員による学芸講座を実施。聴講無料で、受講には電話(019-625-6600)による事前申し込みが必要となる。定員は60人。

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