盛岡で今年最後の「裸参り」-町内会の結束で22年前に復活

3メートルほどの長い棒(はさみ)を左右に振りながら鈴を鳴らして練り歩く。口には「くわえ紙」。これで体の震えを抑える

3メートルほどの長い棒(はさみ)を左右に振りながら鈴を鳴らして練り歩く。口には「くわえ紙」。これで体の震えを抑える

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 盛岡で古くから行われている旧正月の伝統行事「裸参り」が1月28日、「加賀野大日如来裸参り」で今年最後の参詣を終えた。

関係者全員が集まった出発前の記念写真

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 氷点下になろうかという、同日17時。加賀野公民館(盛岡市加賀野)から妙泉寺まで、約1キロの道のりを下帯と晒しに装束をまとった男衆が、「はさみ」と言われる飾りのついた長い棒で土地の厄をはらうように左右に振りながら、無病息災や五穀豊穣を願い練り歩いた。

 盛岡の裸参りは今年、1月10日の永祥院の酒買地蔵(材木町)を皮切りに、15日の盛岡八幡宮(八幡町)など市内7カ所で行われた。

 裸参りは通常、消防団などが中心となって行われるが、「加賀野大日如来裸参り」は珍しく町内会が中心となって行われる。戦争の前後にいったん途絶えたが、1988年に加賀野4丁目町内会・青年部の有志4人が復活させ、今年で22回目を迎えた。一時は13人が参加するまでになったが、新興住宅街化などの影響で、今年は復活第1回目から休まず連続で参加する齋藤幸一さんら50~60代の男性5人が参加した。この日は吉田孝さんに、3回の参加ごと与えられる「満願」が、銀杯と賞状とともに贈られた。

 当時、同行事復活の先頭に立った兼平幸男さんは「主立った商店街がなかったこの町を活性化させるために復活させた。顔の見えるまちづくりに当時は躍起だった」と懐かしむ。世話役を務める袖上寛さんは「八幡(の裸参り)より沿道の人は少ないが、和気あいあいとしているのがここの良いところ」と胸を張る。

 参詣が終わった後は、同町内会の婦人部がもてなす料理で「反省会」が行われた。

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