学ぶ・知る

石川啄木記念館で改修前の最後の収蔵資料展 アルバムから思い出振り返る

収蔵アルバムの写真を中心に53年の歴史を振り返る展示

収蔵アルバムの写真を中心に53年の歴史を振り返る展示

  • 0

  •  

 石川啄木記念館(盛岡市渋民)で現在、収蔵資料展「記念館のアルバムから」が開かれている。

歴代の企画展チラシが並ぶパネルも

[広告]

 同館は2023年度に大規模改修を行い、玉山歴史民俗資料館との複合施設として2024年度に開館する予定となっている。5月11日から改修工事のための休館期間に入るため、今回が改修前の最後の収蔵資料展。同館が収蔵するアルバムの写真を中心に展示し、開館から53年にわたる歴史と思い出を振り返る。

 同館は1970(昭和45)年に開館したが、現在の建物は、石川啄木生誕100年に当たる1986(昭和61)年に建てられた。収蔵アルバムは20冊ほどあり、展示では主に旧記念館時代の写真を選んでいるという。担当学芸員の藤田麗さんは「展示する写真を選んでいる時もついついアルバムに見入ってしまい準備が進まなかった。たくさんの人が関わって生まれ、たくさんの人が訪れた記念館であることがよく分かる」と話す。

 展示資料は写真以外のものを合わせて約50点。大きく分けて3つのテーマに沿って展示する。1つ目のテーマは記念館を訪れた人。これまで国内外から約220万人が来館し、その中にどのような人物がいたのかに焦点を当て、学習院中等科時代の天皇陛下、学習院大学時代の秋篠宮さまと婚姻前の紀子さま、物理学者の湯川秀樹博士などが訪れた時の写真が並ぶ。特に天皇陛下と秋篠宮さまの写真は来館者からも好評で懐かしむ声も聞こえるという。

 2つ目のテーマは記念館に集まった資料について。同館の資料がどのような人からどのような思いで寄せられたのかを紹介し、旧記念館の展示室の写真や啄木自筆サイン入りの歌集「一握の砂」初版本、啄木が妹へ宛てた書簡などを展示する。3つ目のテーマは風景。新・旧記念館の外観を紹介する写真パネルや、記念館周辺の懐かしい風景写真、地域の様子などを紹介する。「このテーマでは紹介したい写真がたくさんある」と藤田さん。3月29日ごろからは行事の様子を写した写真を加えるといった展示替えを予定している。

 藤田さんは「今回の展示準備を通じて改めて感じたのは、全国に啄木のファンがいて、この場所が多くの人から愛される記念館だということ。今も地元の皆さんが様子を見に来てくれたり、啄木の情報を寄せてくれたり、全国から来館する人がいるのも、ずっと愛されてきた歴史があるからこそ。ゆったりした内容の展示なので、のんびり写真や資料を眺めてもらい、いろんな人と記念館のつながりを感じてもらえれば」と呼びかける。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は大人=300円、高校生=200円、小中学生=100円、市内に住所がある65歳以上と小中学生は無料。5月7日まで。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース