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盛岡市のデザイン事務所が初めての展覧会 デザインの仕事の面白さ伝える

数々の作品が並ぶ展示会場。ポスターやパッケージには「見たことある」という反応も

数々の作品が並ぶ展示会場。ポスターやパッケージには「見たことある」という反応も

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 「homesickdesign(ホームシックデザイン)」による展覧会「homesickdesign展」が現在、「岩手県教育会館 ふれあいギャラリー」(盛岡市大通1)で行われている。

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 「homesickdesign」は、同社代表の清水真介さんが個人の屋号として15年前から使っていたもの。2017(平成29)年に合同会社を設立し、現在はデザイナーやアートディレクター、ライター、キュレータなど12人が所属する。

 今回は同社として初めての展覧会。展示は清水さんが個人で活動していた頃の初期の作品や、同社が手掛けた仕事の作品を紹介する「クライアントワーク」、所属スタッフ4人による自主制作を展示する「オリジナルワーク」の2つに分かれる。

 「展覧会自体、ずっとやりたいなとは思っていたが、なかなか実行できずにいた」と清水さん。展覧会の開催を決めたきっかけの一つは、所属するデザイナーやアートディレクターが増えたこと。清水さんは「1人の活動も長かったので、homesickdesignというと私個人をイメージする人も多い。メンバーが増えた今、事務所としての魅力がなかなか伝わらない。仕事と自主制作を合わせて、今のメンバーたちが、homesickdesignがどんな存在であるのか知ってもらいたい」と話す。

 「クライアントワーク」の展示では、ポスターやチラシ、ロゴ、パッケージ、冊子、イベントなどで使うツール、サインなどが並ぶ。清水さんは「正確に数えていないが、点数にすると1000点以上になるかもしれない。同じクライアントと何度も仕事をしたり、細かい制作物が多かったりする」と振り返る。展示しているのはこれまでの仕事の60%ほどだという。

 会場には仕事を依頼したクライアントも訪れ、展示作品を見て懐かしむ姿もある。来場者からは「このパッケージは見たことがある。デザインした会社を知れてうれしい」や「以前見掛けて、良いデザインだと思っていたポスターと再会できた」という反応が集まっているという。所属スタッフは「クライアントの反応を知ることはできるが、その先にある反応を聞けることがうれしい」と喜ぶ。

 所属スタッフ4人が展覧会のために制作した「オリジナルワーク」は、クライアントの要望がなく負荷は少ないものの、作者自身の企画力や自分と向き合う力が必要となるという。イラストを使った表現や、選択用品などをシンプルに表すラベル、盛岡での暮らしに役立つガイドなどの作品が並ぶ。一部の作品はオリジナルグッズとして「Cyg art gallery」(盛岡市菜園1)やオンラインショップで販売している。

 清水さんは「デザインの仕事を知っている人には、岩手でもクリエーターが集まって面白いことをしているのを知ってもらう機会に、デザインの仕事を知らない人には、世の中にある物は誰かがデザインしていることを知るきっかけになれば」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は9時~18時(最終日は15時まで)。入場無料。8月8日まで。

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