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盛岡の古い地名をテーマにした企画展 今回は葺手町・生姜町に焦点

企画展が行われている展示室。手前が葺手町、奥が生姜町となっている

企画展が行われている展示室。手前が葺手町、奥が生姜町となっている

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 盛岡市先人記念館(盛岡市本宮)で1月16日、企画展「第14回 盛岡の古町名展『葺手町(ふきでちょう)・生姜町(しょうがちょう)かいわい』」が始まった。

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 「盛岡の古町名展」は、盛岡の古い町名に焦点を当て、町の歴史とその地域にゆかりある先人を紹介するもの。14回目となる今回は、葺手町と生姜町の2つの町を取り上げる。「葺手町」は職人の町で、屋根葺(ふ)き大工という職人が住んでいたことが町名の由来となり、「屋根葺町」と呼ばれていた時期もあるという。生姜町はもともと煙草町(たばこちょう)と呼ばれていた地域だったが、神明社が鎮座したことから「神明町」に名前が変更。神明社での祭礼では生姜を売る習慣があり、次第に「生姜を買う町」という印象が強まっていった。

 展示は前半を葺手町、後半を生姜町に分けて紹介。最初はそれぞれの町が現在のどの辺りなのかを地図を使って説明。葺手町は、肴町商店街のアーケードに向かい合う「水晶堂ビル」から「サーパス中ノ橋」辺り、生姜町は現在の八幡町にある「千代寿司」周辺から「みかわや参番館・しょうが館」辺りまでだという。

 資料は各地域で現在まで続く店や工房、人物、当時の町にあった建物に関するものなど地域に関係したものが並ぶ。葺手町は、「東家」「浅沼醤油(しょうゆ)店」「中直」を中心に、当時の広告や電話番号の早見表、道具などを紹介。広告の中には「葺手町」という名前が明記されている。

 生姜町は「鈴木盛久工房」「鈴木主善堂」「直利庵」のほか、生姜町にあったとされる集会場「杜陵館」や、現在でいう映画館に当たる「紀念館」についての資料を展示。「紀念館」のチラシや週報、南部鉄器を作る道具などが並ぶ。併せて、生姜町にゆかりがあり南部鉄器に関わる3人の人物、高橋萬治(まんじ)、鈴木盛久、鈴木貫爾(かんじ)についても紹介する。

 期間中には学芸員による講座や展示解説、講師を招いての講座といった関連イベントも予定。担当学芸員は「町の歴史と共に人物についても紹介する展示は、先人記念館ならではの内容。普段の展示は人物が中心なので、先人記念館としてはある意味、珍しい企画なのかもしれない。その地域で暮らしている人にとってはより楽しめる内容になっていると思うので、現在との違いを感じながら見てもらいたい」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は一般=300円、高校生=200円、小・中学生=100円。盛岡市内に住所を有する65歳以上は無料。3月14日まで。

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