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盛岡と紫波に「クレープ自動販売機」登場 県内初、安心しておいしさ届ける

盛岡市内に登場したクレープの自動販売機。緑とピンク、オレンジのカラーが目印

盛岡市内に登場したクレープの自動販売機。緑とピンク、オレンジのカラーが目印

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 盛岡市内と紫波町内の計3カ所にクレープの自動販売機が設置され、話題を集めている。

スティック状のクレープ。袋に入っていて食べやすい形になっている

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 自動販売機を設置したのは、クレープ専門のキッチンカー「キッチンカー fu-go(フーゴ)」を運営する菊池史子さん。2015(平成27)年から県内外でクレープの移動販売を行ってきたが、6年目を迎える今年は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、キッチンカーを使った対面での移動販売は思うようにできずにいた。

 仕事場もなく、「自粛生活」を続けてきた菊池さん。その中でも、SNSなどを通じて「fu-goのクレープが食べたい」というファンからの声が届いていたという。最初はコロナ禍での自粛を理由に断ってきた。菊池さんは「我慢をすることが正解で、自粛生活にもすぐに終わりが来ると思っていた。しかし状況はなかなか変わらない。皆さんの期待に応えられない時間だけが長く続く中で、どうにかして現状を変えられないかと考え始めた」と話す。

 それから菊池さんは非対面でのクレープの販売について考え始め、「クレープを無人販売するなら、冷蔵機能が絶対に必要」という視点から、すぐに自動販売機のアイデアを思い付いたという。自動販売機を作る会社や設置場所も自身の手で一から探し、自動販売機の装飾も行った。キッチンカーと同じ緑とピンク、オレンジのカラーリングが目印で、販売方法が変わっても「fu-goのクレープだ」と気付いてもらえるように工夫している。

 自動販売機での販売に合わせたクレープ生地も開発。キッチンカーでは焼きたてをすぐに食べるのに適した生地にしているが、自動販売機は長時間の冷気に耐えてもおいしいような生地を作った。

 10月中旬に販売を始めた。設置場所は「マッハランド」(上堂1)駐車場内宝くじ売り場の横と、同じく市内のリサイクルショップ「萬屋(よろずや)」(本宮2)内、岩手県立紫波総合高校(紫波町)付近の3カ所。マッハランドと紫波町の自動販売機は24時間購入できる。

 自動販売機で販売するクレープは全8種類。形はスティック状で、旬のフルーツやクリームなどがふんだんに入っている。フルーツには紫波農園のものを優先的に使用。価格は200円~400円で、クレープの中身は日々変わる。設置場所ごとに限定クレープも用意し、3カ所を回って楽しめるようになっている。納品は1日1回。出来たてを食べたい人は「13時ころに行くのがお勧め」とのこと。

 「自動販売機にしてからうれしい感想も届いている」と菊池さん。「恥ずかしくてキッチンカーで購入する勇気が出なかった男性から、人目を気にせずに大好きなクレープが買えるという声、子どもと一緒に散歩しながら利用できるという声があり、本当にありがたい。おかげさまで販売開始から忙しい毎日だが、岩手初のクレープ自販機を楽しんで」と呼び掛ける。

 クレープ自動販売機に関する最新情報は菊池さんのインスタグラムなどで発信する。

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