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岩手県立図書館で「方言」テーマに企画展 昔ながらの言葉に思いを寄せて

橘正一の生涯と研究を紹介する一角

橘正一の生涯と研究を紹介する一角

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 岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)で現在、企画展「おらほのことば~橘正一没後80年~」が開催されている。

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 盛岡出身の方言学者・橘正一の没後80年を迎えることに関連し、方言をテーマに企画した同展。全国各地では地方独特の言葉が失われつつあり、普段の生活で使っている言葉や、昔ながらの方言を見直し、言葉の豊かさに思いを寄せてもらおうと、橘正一をはじめとする県内外の研究者とその足跡、成果を紹介する。

 橘正一は1902(明治35)年に現在の盛岡市松尾町に生まれ、医学専攻を志して仙台の第二高等学校理科甲類に入学したが、卒業直前に結核による肺浸潤のために帰郷。闘病しながらも全国の方言について研究を行っていたという。

 展示は第1章から第3章までに分けて87点の資料を並べる。第1章では橘正一の生涯とその研究について、第2章は方言と方言研究と題して県内外の研究者について紹介。柳田國男や金田一京助といった岩手ゆかりの研究者についても触れる。第3章は岩手の方言について、地域による違いやアクセント、文法などの特徴を解説するほか、アイヌ語や方言の今後について関連した資料を展示する。

 期間中でも館外貸し出しが可能な資料が展示されているのが同館の企画展の特徴。今回は方言一般に関する資料、岩手の方言に関する資料、岩手の方言でつづられた資料の全54点が並ぶ。

 同館の担当者は「自分が生まれ育った地域の昔話の言葉に触れ、研究者とその成果を知ってもらい、身近に使っている言葉を見直し、言葉の豊かさを感じてほしい」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~20時。10月18日まで。期間中、8月31日と9月30日は休館。

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