食べる

ベアレン県産リンゴの「ドライサイダー」発売 台風被害受けたリンゴも使用

11月14日に発売となった県産リンゴを使った「ドライサイダー」。

11月14日に発売となった県産リンゴを使った「ドライサイダー」。

  • 677

  •  

 ベアレン醸造所(盛岡市北山1)は11月14日、岩手県産リンゴを使った果実酒「ベアレン ドライサイダー」を発売した。

[広告]

 「サイダー」とはイギリスのパブで伝統的に飲まれているリンゴを使った果実酒。同社の「ドライサイダー」は県産のリンゴを100%使用し、1本(300ミリリットル)につきリンゴ2個分の果汁が使われている。保存料や着色料は不使用で加水もせず、リンゴと酵母だけで仕上げるため、自然で優しいリンゴの味と、ドライな味わいが楽しめるのが特徴。2014(平成26)年の発売から高い人気を得ている。

 今年の「ドライサイダー」の原料には、台風19号の影響で落下してしまった滝沢市のリンゴを一部使用している。同社ではリンゴを絞るところから手作業で行うため、すでにスケジュールが決まっていたが、「困っている農家がいる」という相談を受け、急きょ、引き受けを決定した。

 引き受けたリンゴの量は1.3トンで、品種はフジ・シナノゴールド・王林の3種類。滝沢市役所の職員が盛岡の工場まで運び入れた。昨年まではリンゴの品種ごとにロットを分けていたが、製造数量が増えたことから多品種のリンゴが必要となったため統一し、ラベルもリニューアルした。落下リンゴの品質チェックも十分に行い、今年は夏場が暑かったため糖度が上がっているという。

 この取り組みについては市役所職員や農家から感謝の声が寄せられたほか、「地元民として誇りに思う」という盛岡市民からの応援の声も集まっている。同社専務の嶌田洋一さんは「岩手県内の台風被害だと、沿岸部を中心に取り上げられがち。身近なところでもこういった被害があることを感じながら味わってもらえればとも思う。地元で採れたリンゴを使ったお酒を今年も楽しんで」と呼び掛ける。

 価格は1本367円。同社直営店のほか、インターネット、県内・市内のスーパー・酒販店などで取り扱う。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース