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盛岡で完全後払い制度の演劇 観客自身が「時間の価値を決めて」

「気軽に足を運んで」と「俺たちのイエロウ」のキャスト陣

「気軽に足を運んで」と「俺たちのイエロウ」のキャスト陣

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 盛岡を拠点に活動する劇団「土曜夜麻痺」は「盛岡劇場」(盛岡市松尾町)タウンホールで7月21日・22日、完全後払い制度の公演「俺たちのイエロウ」を行う。

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 同劇団は2009年に始動、来年で10年目を迎える。「公演チケットの価格設定は難しく、観客が本当に満足しているかどうかも分かりづらかった」と劇団代表の古屋仁成(きみなり)さん。「以前から観客の皆さんに価格を決めてもらう投げ銭システムの公演をやりたいという思いはあり、10年目の節目を前にやってみるなら今だと考えた」と話す。

 今回の公演は終演後、観客自身が最低1円から自由に価格を決めて支払うシステム。そのため、前売り券の販売や整理券の配布は行わない。支払いは基本的にスタッフへ直接手渡す形となるが、「どうしても気まずい」という人に向けて封筒を用意し、封筒に入れて手渡すこともできる。

 物語は10年前に「ご当地ヒーロー」を演じていた男を主人公に、10年後も若い頃の夢を諦められない主人公が仲間と再会し、仲間の一人が抱える問題を解決するべく奔走する姿などを描く。「オールドボーイズ・オン・ザ・ラン」をキャッチコピーに、人間の細やかな描写や自然な会話劇が見どころとなり、市内の劇団で活動するメンバーがキャストとして参加する。

 今回の上演システムには「観劇する側の目を肥やしたい」「観劇人口を増やしたい」という思いも込めた。古屋さんは「演じる私たちはもちろんだが、見る側の意識も変えたいと考えている。観客の皆さんに自分が感じた時間の価値をもっと大切にしてほしい。演劇は由緒正しく敷居が高いものと思われがちだが、それも改善したい。面白くなかったら1円払ってもらえればいいので、気軽に足を運んで」と呼び掛ける。

 開演時間は、21日が19時、22日は11時と15時の2回公演。各回30分前開場。上演時間は1時間40分を予定し、終了後は20分のアフタートークを行う。

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