盛岡で黒田官兵衛所用の合子形兜を展示-エックス線解析調査報告も

黒田官兵衛所用の「銀白檀塗合子形兜」(もりおか歴史文化館蔵)

黒田官兵衛所用の「銀白檀塗合子形兜」(もりおか歴史文化館蔵)

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 黒田官兵衛所用の盛岡市指定文化財「銀白檀塗合子形兜(ぎんびゃくだんぬりごうすなりかぶと)」が現在、もりおか歴史文化館(盛岡市内丸、TEL 019-681-2100)のテーマ展「官兵衛の兜ここにあり!」で期間限定公開されている。

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 今年の大河ドラマの主人公として話題の「黒田官兵衛」が所用した、白檀塗が施されおわんの形を模した兜で、原資料を同館が所蔵している。「如水の赤合子」と恐れられた黒田官兵衛の兜は、生前に家臣の栗山利安に与えられ、利安の息子で福岡潘家老の栗山大膳が1632(寛永9)年に起きた黒田騒動で盛岡藩へお預けとなった際に、持参してきたといわれる。同展では兜の原資料のほか、栗山一族にまつわる資料を展示。11月14日には東北芸術工科大学保存科学研究室の協力の下、兜のエックス線解析が行われ、調査報告も公開されている。

 この調査で、1枚の鉄板を打ち付けて形が作られていると想定されていた鉢は、6枚の鉄板を打ち付けて成形され鋲(びょう)で止められていることが判明。南部家伝来の資料で「金白檀柑子形」と称されていたことから一部に金が使われているのではといわれていたが、マイクロスコープ表面観察により「白檀塗」の金属には「銀」が使用されており、何度か修繕の手が加えられて塗り直されていることが分かったという。

 同館では「官兵衛の赤合子」を盛り上げようと、テーマ展に合わせてオリジナルグッズや市内の菓子店とコラボレーションして「黒田官兵衛の兜まんじゅう」(850円)も制作した。同館館長の畑中美耶子さんは「黒田官兵衛所用の兜が盛岡にあることを知らない人がまだ多い。兜を四方八方からじっくり見られる機会。24日までに見に来ていただければ本物に出会えるのでぜひ見にきてほしい」と呼び掛ける。

 観覧料=一般300円、高校生200円、小中学生100円。開館時間は9時~18時。兜と原資料の展示は11月24日まで。テーマ展は12月15日まで。来年1月2日~4日にも、お年玉展示として原資料の展示を予定している。

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