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被災松を使った菩薩像、もりおか復興支援センターに仮安置

慰霊の気持ちが込められた「高田松原被災松観音菩薩」

慰霊の気持ちが込められた「高田松原被災松観音菩薩」

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 木彫工房「五葉舎」(岩手県気仙郡住田町)の彫師、佐々木公一さんが製作した陸前高田の被災松を使用して彫られた菩薩(ぼさつ)像がもりおか復興支援センター(盛岡市内丸)に仮安置されている。

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 佐々木さんが製作した「高田松原被災松観音菩薩」は高さ160センチで、陸前高田で被災した松を使用。柔らかな表情で人に寄り添うようにたたずむ。

 佐々木さんは、陸前高田市の職員だったいとこを津波で亡くしたこともあり、「犠牲になった人々の慰霊のためにも同じ気仙に住む彫師の私が彫らなければ」という気持ちで同像の製作を始めたという。モチーフは、全ての魂を救済する意味を持つ観音菩薩に決めた。

 製作を決めた時点で1年が経過しており、被災松は海水に浸り痛みや損傷がひどいものが多かった。樹齢250年以上の真っすぐで太い幹の松を提供してもらえることになり、2011年3月に図面製作を開始。同年11月に完成し、陸前高田の「気仙芸術祭」でお披露目された。

 しかし、陸前高田には設置展示できる場所がないため、もりおか復興支援センターへの仮安置が決まった。同センターでの安置は3月31日までを予定しており、今後は陸前高田に移す考えだ。

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